汎用的なデザインテンプレートとかけまして企業の成功事例と解く。その心は?

こちらに向かって右手に持った白紙の名刺を見せているジャケット姿の男性の写真

「一見すごく役に立ちそうだけど、使ってみるとそうでもない」ところです。

例えばあなたが起業して、名刺を作ろうと思ったとします。ネット上には、WordやExcelで作れる名刺デザインのノウハウや、すでに出来上がったテンプレートがたくあんありますので、今すぐ作って明日から活用できるでしょう。しかしその名刺が、本当の意味で役に立っているかどうかはまた別の問題です。

社名が入っていて、肩書と名前が書かれていて、住所や電話番号も間違いなければ、特に比較対象がないと、何の問題もなく成立しているように見えるでしょう。しかし名刺は、他の名刺と比較されるものです。そして、名刺ホルダーの中にどんどん埋もれてしまうものです。あなたが持っている名刺ホルダーを見直してみて、すべての方の顔が思い出せるでしょうか。それどころか、いつ、どこで、何がきっかけで交換した、何をしている会社の方なのかも思い出せないことも多々あるのではないでしょうか。

そう考えると、たかが名刺と思ってExcelでサッと作ってネット印刷で安く済ませることが、少し心配になってきますよね。

一事が万事。チラシのデザインでも、ウェブサイトのデザインでも、プレスリリースの文章でも、安く簡単に済ませる方法は探せばいくらでも見つかりますが、いずれも世の中に膨大な数が溢れかえっている中で、自分たちが作ったものに気づいてもらわなければならないのに、他の誰かが使っているものや、誰でも思いつく見せ方、生成AIが考えた平均的な内容で勝負できるはずはないのです。

企業の成功事例も、「わたしはこうやってうまく行った」と書かれていると、「なるほどそれは素晴らしい、うちも取り入れよう」と思って早速取り組んでみるものの、目に見えて成果が上がることは滅多にありません。企業の成功事例もデザインテンプレートのようなもので、「手軽にできそうだからと手軽にやると、それ相応の成果しか見込めない」のが現実です。成功した企業の成功の理由は、誰かのモノマネで済まさず、自分たちにとって最適な方法に変換することができたからでしょう(運や偶然性も大きく作用すると思いますが、今は置いておきます)。

わたしたちデザイナーの仕事は、見た目を洗練させて印象を良くすることはもちろんですが、実はそれは第一義ではなく、伝えるべき相手に、どれだけちゃんと、しっかり伝わるかを考えて形にするか、が第一義で、そのために、見た目を洗練させて印象を良くすることが大事だと考えているから、見た目を洗練させて印象を良くするのです。

実はわたしたちも、デザインテンプレートや生成AIを活用しています。しかしそれは大まかな土台の部分だけで、最終的には似ても似つかぬものに変わって完成されます。先の例で言えば、企業の成功事例を自分たちにとって最適な方法に変換するようなものです。この記事も、最初にわたしがあらすじを書いて、生成AIに「これを元に1,000字程度の記事にして」と指示を出して書いてもらったものを土台にしています。1行目を別の文章に書き換え、2行目以降は全文削除しましたが(笑)。

テンプレートを使って簡単に作ったもので十分機能する場合もありますし、費用対効果も考慮すべきだと思います。でも、もし成果や費用対効果を考えた上で、今の施策が最適解でないような気がしたら、ぜひ一度、ご相談ください。わたしたちなりの最適解を、ご提案させていただきます。

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