効率的な情報収集がしたいなら、実はレガシーメディアが最適

バスタオルを頭に巻いた風呂上がりの女性が新聞を読んでいる写真

「情報収集って、どうしてる?」

先日、友人同士の飲みの席で、そんな話になりました。

24時間365日、とめどなく流れてくる「最新情報」。全てを把握することはもちろん不可能。忙しい毎日を送るわたしたち現代人が効率的に必要な情報を得るためには、情報の取捨選択が求められるわけですが、ではどのように取捨選択すれば良いのでしょうか。

それぞれいろんな情報収集の方法がありましたが、いずれもコツは「どれかに集中する」ことでした。それは、「とりあえずここだけ見ておく」メディアを何にするかの選択です。

もちろん、選択することで見逃す情報や見落とすニュースがたくさんあります。しかしそれを気にしだすと今度はなんでも無限にチェックしなければならず、情報収集だけで1日が潰れてしまいかねません。

では、何を選択するのが良いのでしょうか。意外にもネット情報ではなく、「レガシーなマスメディアの活用」が多く挙がりました。

社会的なニュースを知るには、紙の新聞。ネットでも新聞社のサイトから記事を読めますが、紙という「初めから終わり」が完結しているフォーマットの方が、1日のルーティンとして「読む時間」を決めたり確保しやすく、前日の出来事を一旦まとめてくれているのも効率的です。

世界情勢を知るには、NHKで放送されている世界のニュース。こちらもネットを探れば無尽蔵に湧き出す情報の濁流ですが、1時間弱でまとめてくれているから、集中して吸収できます。しかも放送時間は決まっているので、スケジュールにも組み込みやすいのです。

そして経済情報は、ビジネス誌。企業の一進一退や株価の変動を日々追うのは、投資家の仕事。わたしたちが普段の生活の中で速報的に知るべき情報というのは、非常に限られています。ならば、1週間なり1か月なりでまとめられた情報を雑誌にまとめられた記事で読む方が無駄がありません。最近象徴的だと思ったのは、OpenAIのサム・アルトマンの解任・復帰騒動。後になって思えば、わたしたちは雑誌にまとめられた結論だけを読めば事足りていたのですが、当時は次々に発表される速報を追いかけながら評論家や素人が入り混じって議論していたのですから、まさに無駄と言っていいでしょう。

テレビも新聞も雑誌も、やはり「腐ってもマスメディア」。その取材能力とまとめ能力は新興ネットメディアの比ではありません。世の中で話題になっている重要トピックをピックアップして、丁寧に取材し、入念に練り上げ、誰が初見で開いても基礎から応用までざっくりと理解できる構成になっているのですから、ネットニュースに慣れていればいるほど、感心するしかありません。

ただでさえ情報に触れる時間の限られている今、どうでもいいゴシップやコタツ記事(SNSの引用だけの内容の薄い記事)、フェイクニュースなどを読んでいる時間などないはずなのですが、情報の入り口を絞っておかないと、向こう側からどんどん流れ込んできてしまいます。そんな時、新聞・雑誌などのレガシーメディアが役に立つのです。

インターネットの普及から30年が過ぎた今、気がつけばオフラインで読める情報が一番効率的な時代になっていただなんて、ちょっと信じられないかも知れませんが、一度レガシーメディアの持つ編集力の高さを見直してみてください。なかなか侮れませんよ。

ちなみにわたしは、「マーケティングやプロモーション、広告に関するニュースサイトのいくつかをRSSリーダーに登録してチェックする」「ビジネス誌を週一で一通り目を通す」「日経新聞に毎日目を通す」の3つで情報を集めています。おかげでテレビの話題や芸能ニュースに全くついていけません(笑)。