足踏みオルガンを守るドキュメンタリー映画のクラウドファンディングが始まりました

左の壁に楽譜の書かれた黒板が見える、足踏みオルガンの置かれた部屋の写真

「足踏みオルガンを次世代へ伝えたい! ドキュメンタリー映画「風琴」支援プロジェクト」

ある世代よりは上の方なら、小学校の教室に必ず並んでいて、ぼんやりとでも記憶に残っているであろう楽器に、「足踏みオルガン」があります。音楽の授業で、先生が合唱の伴奏で弾いていた、ピアノよりは小ぶりで、素朴な音を出す鍵盤楽器ですが、この楽器だけが持つ個性的な音色に魅了された音楽家も多く、しばしばレコーディングやコンサートで演奏されています。現在公開中の映画「きみの色」でも、打ち捨てられた古い教会にあるオルガンが、印象的な音色を響かせていました(わたしたち日本人の多くは、小学校に置かれていた記憶が大きいため結びつきづらいかもしれませんが、足踏みオルガンは元々、パイプオルガンの代用品として、小さな教会でも手軽にオルガン演奏ができるように作られたものですので、古い教会に足踏みオルガンがあるのはそういう理由です)。

しかしこの足踏みオルガンは、実はすでに製造が終了しており、今はもう新品を手に入れることができません。古いオルガンを修理しながら使い続けているのが現状なのですが、それも修復家の後継者不足のために風前の灯となっているのです。

その状況に危機感を抱き、足踏みオルガンへの世の中の関心を高め、現状を認知してもらい、足踏みオルガンを未来に遺すために、修復家の後継者を増やしたいという思いから、足踏みオルガンとその修理しにスポットを当てたドキュメンタリー映画「風琴 〜あるリードオルガン修復家のあしあと〜」が作られました。「風琴」とは、足踏みオルガンの日本名。リードオルガンとは、足踏みオルガンの別称です。

本作のプロデューサーは、神戸でクラシック音楽の録音を行うコウベレックスという会社の代表である善沢志麻さん。善沢さんは、10年ほど前、わたしが神戸の塩屋で「ピュアオーディオ視聴会」というイベントを行った際にお客さんとして会場に来られていて、その時に知り合った仲なのですが、数ヶ月前のある日、善沢さんから「足踏みオルガンのドキュメンタリー映画を作っているので手伝って欲しい」とご連絡いただきました。面白そうだと思い、一も二もなく承諾したのですが、足踏みオルガンのことなど何も知らなかったわたしは、足踏みオルガンの歴史から内部構造、そして足踏みオルガンを取り巻く現状まで、その時はじめて知ることになりました。そして、多くの人たちがこのことをご存知ないという現状に、善沢さんと危機感を共有することになったのです。

お話を伺った時には映画はすでに撮影が終わり、編集真っ只中というタイミングでした。すでにいろんなことも決まっていたので、最初はチラシのデザインのご依頼という感じでしたが、わたしたちもデザインのみではなく、プロモーションと紐づけてデザイン制作をしていますので、必然的にそれ以外のことに関しても、一緒に議論を重ねていくことになりました。

その時点で、クラウドファンディングを行うことが決まっていました。自主制作ですから、今後の上映や販促物などの制作のための費用が足りませんので、予算確保のためにクラウドファンディングは避けて通れなかったのです。しかし善沢さんはクラウドファンディングの経験がなく、プロジェクトを始めるにも原稿制作の時点で悩んでしまっている様子でしたので、わたしの方でクラウドファンディングのページに必要な原稿を作るところからお手伝いさせていただきました。

足踏みオルガンについて、そしてこのプロジェクトについての詳細については、クラウドファンディングのプロジェクトページに詳しく書かれていますので、こちらをぜひお読みください。足踏みオルガンとは何かがさくっとわかるテキストにもなっていますので、支援するかは別としても興味深く読んでいただけるのではないかと思います。もちろん、映画はより詳しく、そして演奏シーンもたくさん観られるものになっていると思いますので、ご興味を持っていただけましたら、ぜひご支援いただければと思います。

クラウドファンディングは本日よりスタート。2ヶ月後の11月8日に終了します。

皆様のご支援、お待ちしております。

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