【予算別で解説】プロジェクション・マッピングの制作費用は?
ある映像制作会社の方から、
「お客さまからプロジェクション・マッピングのお問い合わせをいただくが、見込んでいた予算と実際にかかる費用とのギャップが大きすぎて、なかなか実現に至らない」
というお話を聞きました。テレビなどで大々的に取り上げられたり、自治体などの大きなイベントで実施されている、大きな費用をかけたプロジェクションマッピングのイメージが広まったためなのだと思うのですが、そこには、費用のギャップだけではなく、「やりたいこと」と「できること」のギャップもあるようです。
視界一面を覆うような大パノラマのプロジェクション・マッピング。確かに迫力も臨場感もあり、演出効果は抜群です。しかし、視界を覆うほどの巨大な映像を映すためには、さまざまな課題が生まれます。
・巨大な映像を映すためには、プロジェクターも大きな画角で投影できるもの、もしくは何台ものプロジェクターが必要。
・そのプロジェクターが壁からどれだけ離れられるかによって、別途オプションのレンズをつける必要があるかもしれません。
・その場所がどれだけ暗くできるかによっては、より輝度の高い(=高額な)機種のプロジェクターが必要かもしれません。
・迫力や臨場感が、音による演出がポイントになる場合は、音響機器も必要になる場合だってあります。
・常設で繰り返し何年も使うとなれば、耐久性のある業務用モデルでなければいけないし、取り付け工事も……
などなど、プロジェクション・マッピングに必要な条件が増えるほど、費用もどんどん大きくなってしまいます。
逆に言えば、「プロジェクション・マッピングをすれば必ず高額の出費が必要になる」わけではありません。
上記の例で言えば、映像の大きさは、あなたが理想とする大きさのものが、本当に必要でしょうか。
部屋を暗くするために遮光カーテンを設置するなど、工夫の余地はないでしょうか。
そもそも、プロジェクション・マッピングという「手段」を使う「目的」をかなえるために、あなたの理想は、本当に最適解と言えるのでしょうか。
平たく言ってしまえば、「プロジェクション・マッピングとは、プロジェクターを使って映像を対象に投影する」だけのものです。一方で、複雑なことをしようと思えば、機材も作業もどんどん増えて、それがコストに跳ね返ってくるわけです。
ということは、「工夫次第で、シンプルで効果的なプロジェクション・マッピングができる」とも言えるのです。世の中には、壁の一角やテーブルの天面、手元の一角だけを使うなど、小さいながらも秀逸なアイデアで楽しませてくれるプロジェクション・マッピングもたくさんあるのです。
上の動画は、わたしたちが「プロジェクション・マッピングをどこまで安価にできるか」を考えてテスト的に制作した、1万円弱のプロジェクター1台で、小さな白い箱に投影したものです。費用もほとんどかからないものですが、プロジェクション・マッピングとしての演出効果はありますよね。
「わたしがやりたいのは、こんなこぢんまりしたプロジェクション・マッピングじゃない!」という声が聞こえてきそうですが、もちろんわたしたちも、なんでもこれで済むと思っているわけではありません。でも、金額の折り合いがつかないために実現できないのであれば、わたしたちなら、極端に言えば数万円レベルから、工夫とアイデアでご予算の中でできる面白いプロジェクション・マッピングがご提案できると思います。
逆に言うと、プロジェクション・マッピングを依頼する際に、制作会社に最適な提案をしてもらうためのポイントは「やりたいこととご予算を提示した上で、制作会社から工夫を引き出すこと」です。
さて、理屈はともかく、ぶっちゃけ「プロジェクション・マッピングは、いくらぐらいのコストで、どれぐらいのことができる」のでしょうか?
以下に、ご予算ごとの「プロジェクションマッピングでできること」をまとめました。
【ご予算が1000万円以上ある場合】
広い壁や天井まで覆うプロジェクション・マッピングで、没入感のある空間演出ができるでしょう。テレビで話題になるような壮大な演出も、予算次第で見えてきます。
【ご予算が500万円以内の場合】
プロジェクターは1台が限界でしょう。となれば、10メートル級の広い壁は覆いきれません。しかし、小中規模のスペース、もしくは区画を区切った場所で近距離でご覧いただくのであれば、十分効果的な演出が可能でしょう。
【ご予算が100万円以下の場合】
まずプロジェクターが限られてきます。やりたいことよりも、機材の条件で何ができるかを優先して考えなければなりません。とは言え、100万円は大きなお金です。制作会社と膝を突き合わせて、じっくり企画を練り上げましょう。
【ご予算が10万円以下の場合】
これはもう、上に書いた「工夫とアイデア」だけの勝負です。長期間の設置や大人数へのアピールではなく、ピンポイントで瞬間的に惹きつけることを前提に考えなければなりません(でも、それが意外に面白いのでは……と、わたしたちは思っています)。
以上、どれもケースバイケースではあります(制作する映像の内容、音声を流すためのスピーカー、設置工事にかかる費用など、不確定要素がいっぱいあります)が、当社が考えるプロジェクション・マッピングにかかる費用の、大まかな目安です。
プロジェクション・マッピングはしたいけど予算が……とお悩みの方、まずは一度、お問い合わせください。