「ホームページ」は「家」ではありません

広々としたおしゃれなリビングの写真

みなさんは「ホームページ」という言葉をご存知でしょうか。

「当たり前だろ」と思われたかもしれません。しかし、多くの方が使われている「ウェブサイト全般を指す言葉」という意味ではなく、元来「ウェブブラウザを立ち上げた時に最初に表示されるページ」「ウェブサイトのトップページ」を指す言葉として使われていたものが、やがてウェブサイトそのものを「ホームページ」と呼ぶことが一般的になった、ということをご存知ない方は意外に多いのではないでしょうか。

あるサイト内を閲覧していて、トップページに戻りたい時に、トップページに戻るボタンが「HOME」という名前であったり家の形を模したピクトグラムであったりすることはその名残りと言えるでしょうが、実はこの「ウェブサイトをホームページと呼ぶ」ことが、今日のウェブサイトの存在意義を少しわかりにくくしてしまっているような気がしています。

「home」という言葉を英和辞典で引くと、おそらくほとんどの場合まず最初に「家」と書かれているかと思います。もう少し先には「本社」や「本拠地」という意味もあります(プロスポーツなどでホーム/アウェイという形で使われますね)が、「home」と言われて本社を連想する方は少ないのではないでしょうか。「ホームワーカー」は在宅勤務者、「ホームワーク」は宿題、「ホームオフィス」は自宅での仕事場を指すことになります。

要するに「home」とは「家」、つまり「プライベートな空間」を指しているのです。「プライベート(私的)」は「パブリック(公的)」の対義語ですから、プライベートな空間とは、あまり外部の方が出入りする場所ではありません。

ということは、「ホームページ」とは「プライベートな空間」なのでしょうか。

個人で運営する私的なウェブサイトが主流だった時代、趣味趣向の近い一部の人たちが集う場として機能していた時代は、結果的にそうだったかもしれません。しかし、個人サイトの多くがSNSに代替されるようになり、企業がビジネスの原動力として活用することが当たり前となった現代において、「プライベートな空間」という考えがそぐわないのは言うまでもありません。

では、どの企業においても、ウェブサイトが「パブリックな空間」として運営されているでしょうか。実は「ホームページ」という言葉が一般化してしまったことで、自社サイトが「パブリックな空間」であり、「家」ではなく「会社の一部」である、という認識が曖昧になってしまっているような気がします。

もしウェブサイトが会社の一部だとすると、お客さまが来られた時のための最低限の「おもてなし」が必要です。まずはエントランスでお出迎えしてオフィス内をご案内しなければなりません。会議室のマガジンラックに数ヶ月前の新聞や雑誌が散らかしっぱなしになっていればきれいに片付けるでしょうし、あまりに殺風景であれば観葉植物なども置きたくなるかもしれません。壁紙が汚れていたら貼り替えるべきでしょう。とにかく、お客さまに共感いただいたり、自社の技術や製品・サービスをご理解・ご納得いただくために最善の努力を行うはずです。

翻って、ウェブサイトで同じことができているでしょうか。トップページ(ホームページ)に来られたお客さまが、必要な情報にたどり着けるサイト構造になっているでしょうか。サイト内に古い情報が散乱していて、正しい情報発信ができているでしょうか。デザインが20年も前のままであったり、スマホで見た時にもPCと同じ表示になっているせいで見づらくなっていないでしょうか。

実際のオフィスのリニューアルには大きな投資が必要ですが、ウェブサイトでは比較的安価でリニューアルすることが可能です。しかも今では、ネット経由で世界中の方を、しかも同時に大多数の方をお迎えすることができます。もしあなたが「うちはネットで集客する商売じゃないから」と長年自社サイトを放置されているのでしたら、「オフィスリニューアル」の一環として、オフィスの一部としての「ウェブサイト」をリニューアルしてみませんか。当社が、御社の「別館」としての最適なウェブサイトの構成やデザインをご提案します。まずは気軽にご相談ください。

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