AI最適化もSEOも、やるべき施策は変わらない

Adobe Fireflyで生成したSEOを行うAIのイメージ

SEOは終わりますが、SEOで学んだことは、生成AIに置き換わったとしても生き続けます。

先日、日経新聞に掲載された「グーグル、検索に生成AI インターネットの転機に」という記事が、Google検索と生成AIの関わりについて、現在から今後に向けてGoogleがどのように考えているのかを理解すること、ひいてはわたしたちがそれをどのように考え、今後のプロモーション施策を立てるべきかが見えてくるような内容になっていました。

「検索エンジンサービスの9割以上のシェアを誇るGoogleが、2024年5月14日より提供を始めた「AI Overview」。検索結果の冒頭に、生成AIによる解答が表示されるようになった。それによって利用者は情報を得やすくなる一方、報道機関・出版社は検索からのトラフィックが生成AIに奪われると懸念を示している。しかしGoogle側は、生成AIによって回答を表示している割合は質問全体の10%だけで、今後も決して全てには適用されないと、コンテンツ提供者との共生的な関係性を維持する意図を示した」

要約すると以上のような記事でした(AIで要約したわけではありません念のため・笑)。

記事には、アメリカの調査会社が「2026年までに検索サービスの利用率が25%減少すると予測した」と書かれていましたが、実際、わたしの体感としても、検索するよりもChatGPTやGeminiなどに聞いたほうが的確に答えを返してくれるようになったので、検索で調べる頻度は明らかに減りました。もっと言ってしまうと、わたしは何十年も検索サービスを使い続けているためにググって調べる癖がついていること、ブラウザのインターフェースに検索窓がついていることから「つい検索してしまう」だけのことで、この癖から解放され、ブラウザの検索窓が「生成AI窓」に置き換われば、特に検索にこだわることなく、しかも今よりも調べ物がはかどるのではないか、という気さえしてしまいます。

しかし、結局のところ生成AIは、ハルシネーション(事実と異なる情報を誤って生成してしまう現象)を起こしてしまう以上、「補助的に」検索を行わざるを得ないので、検索サービスがなくなることはないのかもしれません(だって人間に質問しても、ハルシネーションみたいな間違いや勘違い、嘘、誇張は山ほどありますもんね)。

とは言え、検索サービスの利用率が下がり、ある程度生成AIに置き換えられることは間違いない、というか既に始まっていることでしょう。そして生成AIの回答に、今や回答の根拠としてサイトへのリンクが示されることが当たり前になりました。約1年前、当コラムで「検索エンジン最適化(SEO)」から「生成AI最適化(GAO)」へ? 生成AIが自分の作ったデータから学習することの問題から思ったこと」という記事を書きましたが、まさにその状況が到来したのです。ウェブマーケティングの界隈でも「SEOはもう終わりなのか」「今や生成AIに最適化する必要が……」といった話題が湧き出ている状況です。

生成AIは、検索エンジン以上に文意を読み取ることが上手です。ですから、求めている情報が何か回答する際に、最適な引用元を見つけ出してくれます。それは、ユーザーが求めている情報をコンテンツとしてサイト上に用意していれば、生成AIが検索エンジンよりも高い精度でマッチングしてくれると言い換えることもできるのです。

生成AIは、膨大なデータの中から回答に必要な情報を探し集めてくるわけですから、「SEO対策されたサイト構造」は意味をなさないかもしれません。生成AIにとっては、それよりも必要な情報がどれだけ豊富に掲載されているかが肝になるのではないでしょうか。一方、回答を生成したユーザーは、その回答の根拠を確認するか、もしくはより詳しく調べるために、生成AIが用意した参考ページのリンクをクリックします。その先は、「SEO対策されたサイト構造」であったほうが、人間にとっても読みやすいはずですから、意味があることでしょう。

ということは、今後「SEO対策されたサイト構造」は、「ユーザビリティに配慮されたサイト構造」もしくは「アクセシビリティに配慮されたサイト構造」に置き換わるということではないでしょうか。「じゃあやっぱりSEOはもう終わり?」と思われるかもしれませんが、以前「被リンクもE-E-A-Tもコアウェブバイタルも「不要」!(SEOのため“だけ”なら)」という記事で書いた通り、そういう意味ではもうとっくに終わっていました

つまり、生成AI時代のコンテンツは、検索エンジンを迂回することで、人間が読むことを、より一層重視して作る必要があるという、逆説的な結論にたどり着くのです。

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