毎日1億本がリサイクルされず捨てられているペットボトルの未来

屋外に手前から奥までたくさんのペットボトルが並べられている写真

EUで、2024年の7月よりペットボトルのキャップを一体型にする規制が始まったそうです。一体型とは、ペットボトルからキャップを外した際に、ボトル本体からキャップが離れてしまわず、一部が本体とくっついた状態を保たれている状態。従来だと、キャップを外すとキャップ下部のリング部分が本体に残りますが、このリングとキャップが分離しないようになっているようです。

EUに輸出するメーカーは既に対応を初めており、日本のメーカーも、海外での人気も高い「お〜いお茶」が、欧州対応のパッケージに変更したそうです。

規制の背景には、海洋プラスチックと呼ばれる、海に流れてしまったプラスチックごみの増加と、そのうちペットボトルのキャップが占める割合が多いことがあるとのこと。この記事を読んでいるあなたも、ペットボトルのキャップを道端に捨てたり海に投げ捨てたりすることはないと思いますが、キャップを開けた際に手が滑ってどこかへ転がっていってしまった、という経験が一度ぐらいはあるのではないでしょうか。

ペットボトルのキャップといえば、慈善団体などが回収して回収業者に売ることで、世界の子どもたちのワクチンを買うための資金にするという施策が有名ですね。1回のワクチン購入のために必要なボトルキャップの数が膨大なので、「集める労力と輸送費を考えればワクチン代を募金したほうが効率が良い」という批判もありましたが、海洋プラスチックごみを軽減する役目も追っているんですね。

ペットボトルの販売数は、日本だけに限っても年間200億本以上世界では5,000億本に迫るそうです。ペットボトル自体の改良で省資源化・軽量化され、9割近くがリサイクルされていると言われていますが、それでも1日約10億本以上ですから、単純計算でも毎日1億本がリサイクルされずに廃棄されていることになります。こうなってくると、キャップが云々というレベルの話ではなく、メーカーの使用量や消費量を減らすしかないのでしょう。省資源化・軽量化の傾向が進んでいるのも、そんな背景があるのだと思います。

わたしは普段からおうちで沸かしたお茶をマイボトルに入れて毎日出かけていますが、今のような夏場ともなると、ボトル一杯に入れたお茶でも足りなくなることがあり、どうしてもコンビニや自販機に頼らざるを得なくなることがあります。特に昨今の強烈な猛暑では、クーラーの効いた店内に避難することもしばしば。何も買わずに出て行くのも申し訳ないし……と、ドリンクコーナーに目が入ってしまいがち。

今は技術が進化し、「ボトルtoボトル」や「水平リサイクル」と呼ばれる、使用済みのペットボトルを新たなペットボトルとして生まれ変わらせることもできるようになっているそうですので、せめて購入の際には、環境にやさしいペットボトルを選んで購入するようにしたいものですね。

ちなみにわたしはある撮影絡みの現場で、昔クリスタルガイザーの蓋が開けられなくて、若くか弱い女性タレントさんに開けてもらったことがあるほどの貧弱おじさんです(クリスタルガイザーの蓋って縦幅が薄くて開けづらいんですよ・笑)。

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